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預貯金3,000万円のみ、自宅等の不動産はなかった
被相続人:80代
相続人:姉1名、妹2名、弟1名
依頼者にはお子様がおらず、亡くなられた際には4名の兄弟が相続人なりました。
しかし、兄弟も高齢の方が多く、遺産分割協議等を行うことで大きな負担をかけるのではないかと心配していました。
また、依頼者は兄弟全員が均等に財産を相続するのではなく、同じ施設に入所する妹に相続してもらいたいと希望していました。
このような依頼者の希望を実現するため、遺言を作成することとなりました。
依頼者から相談を受け、依頼者の希望を実現するには全ての財産を妹が相続する内容の公正証書遺言を作成すべきと判断し、公正証書遺言を作成することとしました。
公正証書遺言を作成するには、公証人の面前での意思確認が必要となりますが、依頼者は高齢のため施設から外出することが困難でした。
そこで、公証人と協議し、公証人に施設まで来ていただくこととなりましたが、作成直前になり依頼者が体調を崩し病院に入院されたため、公証人に依頼者が入院する病院まで来ていただき、公正証書遺言を作成しました。
公正証書遺言を作成した翌週、依頼者の体調が急変して亡くなられてしまいました。
亡くなる直前とはいえ、生前に作成した公正証書遺言の効力に問題はないため、公正証書遺言に基づき、依頼者のすべての財産は妹が相続できました。
4か月
本件のように、高齢の方が亡くなり、ご兄弟が相続人となった場合は、ご兄弟が判断能力を失われているため遺産分割協議・調停を行えないことがございます。このような場合に遺産分割協議を行うには、裁判所に成年後見人の申立てをし、成年後見人との間で遺産分割協議を行う必要がございます。
とはいえ、遺産分割協議中にご兄弟が亡くなられると、成年後見人は遺産分割協議を行う権原が亡くなるので、ご兄弟の相続人と遺産分割協議を再度初めから行うこととなります。
ご兄弟には遺留分がないことから、ご兄弟の一人がすべての財産を相続しても、他の相続人から遺留分侵害額請求を行うことはできません。相続人が既に高齢であることや、遺留分侵害額請求をされないことから、ご兄弟の一人に全ての遺産を相続していただく遺言を作成することで依頼者が亡くなられた後の紛争を未然に防ぐことができました。
また、公正証書遺言の作成について弁護士にご依頼いただければ、作成する遺言の内容の検討や公証人との調整をすべて行います。
施設に入所されていたり、病院に入院されている場合は、公証人にお越しいただくことで作成することもできます。
遺言の作成でご不明なことがございましたらご相談ください。。
弁護士は多くの紛争を交渉で解決しています。というのも、法的な手続は費用も時間もかかりますし、争いが訴訟や調停に持ち込まれると、依頼者の主張が認められなくなるリスクをも背負うことにもなりかねないからです。
そもそも、相続が絡むと、故人の生前は良好だったように見えた親族間であっても、たとえば「自分は親と同居して介護してきたが、他のきょうだいは何もしてない」「弟である自分は家を出て自分の住宅ローンで苦労しているが、兄は親と実家で同居していて苦労していない」…等々、積もり積もった不公平感を持ち出して、他人同士の紛争よりも感情的になりやすく、必要以上に話がこじれがちです。
このような、当事者だけでは感情的になってしまい話し合いにならないようなケースでも、第三者として交渉のプロである弁護士を代理人にたてることで、一転して解決に向かうことも多くあります。また、弁護士が相手方との連絡を行いますので、意見の対立する親族と話をしなければならないプレッシャーからも解放されます。
たとえば、ご相談にいらっしゃった方のお話を聞いていると、相続人の皆様のご認識・ご希望と法的に可能な請求内容がかけ離れていると感じることがあります。こうした場合に弁護士に依頼していないと、ご自身の法的な立場を理解しないまま、不利な内容と知らず妥協した結果になってしまったり、反対に、法的には不可能な希望をかなえようとして、親族間の関係をこじらせたまま費用と時間を浪費してしまうという状況が生じたりしてしまいます。
そこで、弁護士にご依頼いただければ、主張すべき点と譲歩すべき点を把握し、状況に応じた適切な解決案を相手に示すことができるので、結果として交渉で紛争が解決する可能性が高くなっていくのです。また、協議によって早期に解決できれば金銭的・時間的コストや親族間の心情的なわだかまりも最小限に抑えることが出来ます。
弁護士には訴訟や調停など、法的な手続しか依頼できないと考えておられる方も多いと思いますが、こうした協議・交渉段階から代理人としてサポートをさせていただくことが可能です。遺産をめぐり、相続人間での対立が生じたと感じられましたら、お早めに弁護士にご依頼することをおすすめいたします。
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