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遺産分割前に相続人が亡くなった場合(数次相続)の複雑化する論点

この記事を読むのに必要な時間は約6分35秒です。

はじめに

父の遺産分割が終わらないうちに、母も亡くなってしまった。
あるいは、祖父の代の相続手続きが放置されたまま、その子である相続人も他界している。
このように、遺産分割が済まないうちに次の相続が発生した状態を数次相続といいます。

数次相続は、時間が経つほど相続人が増え、手続きの難易度が上がっていきます

本記事では、相続を中心に取り扱う弁護士法人リブラ共同法律事務所の弁護士が、数次相続で問題となりやすい論点を解説します。

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代襲相続との違い

数次相続と混同されやすいのが代襲相続です。
両者は死亡の前後関係で区別されます。

✅代襲相続

被相続人より先に相続人が亡くなっている場合に、その子が代わって相続します。
父が亡くなるよりも前に、長男が亡くなっていたため、母と長男の子(孫)が相続人となるようなケースです。

✅数次相続

被相続人より後に相続人が亡くなった場合です。
亡くなった相続人が有していた地位を、その相続人がさらに承継します。

父が亡くなり、母、長男及び二男で遺産分割協議をするべきところ、遺産分割協議未了のまま母が亡くなったケースがこれにあたります。

どちらに当たるかで、誰が相続人になるか、取り分がどうなるかが変わります。

まずは死亡の前後関係を確認することが出発点になります

 

数次相続で生じやすい問題

✅当事者が急増する

一次相続の相続人が亡くなるたびに、その配偶者や子が新たに当事者となります。
当初は3人だった協議が、十数人規模になることも珍しくありません。

✅面識のない相続人が登場する

再婚によって生じた親族関係、疎遠になった親族、遠方に住む親族など、連絡先すら分からない相続人が現れることがあります。
**全員の合意がなければ遺産分割協議は成立しないため、まずは相続人を全員把握して連絡先を戸籍や住民票等から調査することが必要です。
**

✅承認と放棄の判断が難しくなる

数次相続では、一次相続と二次相続のそれぞれについて承認するか放棄するかを検討する必要があります。
期間の起算点の考え方が難しく、判断を誤ると債務を承継してしまうおそれがあります。
相続放棄をするかは被相続人ごとに考える必要があるため、慎重な判断が必要です。

✅資料の収集に手間がかかる

相続人を確定するには、被相続人ごとに出生から死亡までの戸籍を揃える必要があります。
世代を遡るほど、収集する戸籍の数は増えていき、お一人でやるには負担が大きいです。
弁護士に依頼すれば、弁護士が戸籍を収集し、相続人関係説明図を作成します。
これにより、相続人調査の負担を大幅に減らすことができます。

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一次相続と二次相続をどう整理するか

数次相続では、それぞれの相続について別々に協議をまとめる方法と、一通の協議書で併せて整理する方法があります。

どちらを選ぶかによって、必要な署名者の範囲や登記手続きの進め方が変わります
当事者が多い事案では、書面を分けたほうが調整しやすいこともあれば、一度にまとめたほうが手間が少ないこともあります。

また、二次相続で亡くなった方が一次相続について何も意思表示をしていない場合、その方が取得するはずだった取り分をどう扱うかが論点になり、ここを曖昧にしたまま進めると、後の登記手続きで支障が生じかねません。

相続税の申告が必要な事案では、それぞれの相続について申告期限が別に進行します。
税務面については税理士と連携して別途確認することが大切です。

 

相続登記の義務化との関係

令和6年4月から、相続によって不動産を取得した相続人には、相続登記の申請が義務づけられました。
制度の開始前に発生していた相続も対象とされています。
正当な理由なく、相続登記をせず放置すると、10万円以下の過料に科せられる可能性があります。

そのため、放置していた数次相続の不動産についても対応が必要となり、「昔の相続だから」と先送りにできる状況ではなくなっています

 

弁護士に相談するメリット

数次相続では、まず相続人を確定させることが不可欠です。
弁護士に相談すれば、戸籍の収集と相続関係説明図の作成を通じて、当事者の範囲を明確にできます。

また、連絡が取れない相続人がいる場合の対応、一次相続と二次相続をどのようにまとめて処理するかなど、事案に応じた進め方を検討できます。
当事者が多い事案ほど、全員に同じ説明を届け、合意形成の道筋を設計することが解決の鍵になります

当事者の一人でも反対すれば協議は成立しないため、早い段階で全体像を把握し、どこに合意の余地があるかを見極めることが重要です。

 

まとめ

数次相続は、放置している間に当事者が増え、必要な資料も増えていきます。
相続登記の義務化により、遺産分割を先送りにすることのリスクも高まります。

手続きが止まったままの相続がある場合は、当事者がさらに増える前にご相談ください。

 


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弁護士法人リブラ共同法律事務所は、札幌(札幌駅前・新札幌)・東京(吉祥寺)を拠点に、相続を中心に取り扱う法律事務所です。相続・遺産分割の相談累計件数は1700件を超え相続に強い弁護士9名による相続チームが、複雑な事案や紛争性の高い案件も含めて、依頼者様一人ひとりに寄り添った解決をサポートしています。

 

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監修者情報

菅原仁人 弁護士 顔写真

菅原 仁人(すがわら まさと)

弁護士法人リブラ共同法律事務所 代表社員弁護士|弁護士登録番号:40280

注力分野:遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言書作成、離婚

相続は、争う相手が見知らぬ他人ではなく、兄弟・親族であることが多く、法律問題であると同時に、大きな心理的負担を伴うものです。私は、依頼者の方が安心して手続きを進められること、そして納得のいく解決を実現することを何より大切にしています。相続についてお悩みやご不安がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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