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音信不通の相続人がいる場合に家庭裁判所ができること・できないこと

この記事を読むのに必要な時間は約6分38秒です。

はじめに

相続が発生したとき、相続人全員で、亡くなった方が所有していた財産(相続財産、遺産)の分け方を話し合う「遺産分割協議」をしなければなりません。

✅しかし、相続人の一部がどこに住んでいるかわからない、連絡先を知らないというケースでは、そのような話し合いを開始することができず、遺産分割協議を進めることができません。

✅このような場合、家庭裁判所の手続きを利用して問題を解決する方法がありますが、裁判所ができることには限界もあります

本稿では、音信不通の相続人がいる場合に家庭裁判所ができること・できないことを整理し、弁護士法人リブラ共同法律事務所がご提案できる適切な対処法を解説します。

 

音信不通の相続人がいる場合の問題点

相続人の一人と連絡が取れない場合、遺産分割協議を開始することすらできません

遺産分割協議は相続人全員の合意が必要であり、一人でも欠けていれば無効となります。

その結果、相続財産は凍結状態となり、相続人の一部だけでの不動産の売却や預金の払い戻しができない状態が継続してしまいます。

 

家庭裁判所ができること

1. 不在者財産管理人の選任

相続人が行方不明で住所も分からない場合、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることができます(民法第25条1項)。

選任された管理人が不在者に代わって遺産分割協議に参加し、協議を進めることが可能になります。

ただし、管理人は不在者の利益を守る立場にあるため、不在者に不利な内容の協議には応じてくれないことに注意が必要です。

 

2. 失踪宣告の申立て

相続人が7年間生死不明の場合、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることができます(民法第30条1項)。

失踪宣告が認められると、その相続人は法律上死亡したものとみなされ、その相続人の相続人(子など)が代わりに相続権を持つことになります。

これにより、新たな相続人と遺産分割協議を進めることができます。

なお、震災や船の沈没等が原因で行方不明の場合は、死亡の原因となる危難が去った後1年間生死が明らかでないときは裁判所は失踪宣告をすることができます。

 

3. 遺産分割調停・審判

相続人の所在は分かっているものの、こちらからの連絡に応じないという場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。

✅遺産分割調停は、家庭裁判所を介さずに、遺産分割協議を行おうと試みたものの、相続人の一人から連絡がなく遺産分割の合意をすることができないという場合に、話し合いを家庭裁判所で行うことができる手続きです。遺産分割調停を申し立てると、裁判所から、こちらが把握している申立ての時に記載した相続人の住所へ呼び出し状が送られ、調停が開始します。

✅調停の場で話し合いが行われ、合意に至らない場合は、審判に移行し、家庭裁判所が遺産分割の内容を決定します。

✅遺産分割調停で合意した結果は「調停調書」、審判に移行し家庭裁判所が決定した結果は「審判書」に記載され、これらに基づき不動産の登記や預金の解約を進め、遺産分割に応じて遺産を分けることができます。

 

家庭裁判所ができないこと

1. 相続人の所在調査

家庭裁判所は、音信不通の相続人の居場所を探す調査は行いません

そのため、相続人の所在がわからないケースでは、家庭裁判所は呼び出し状を送ることができません。

相続人の現住所を調べるためには、本籍地の市区町村で戸籍の附票を取得するなど、申立人自身が調査し、裁判所へ伝える必要があります。

 

2. 強制的な連絡・出席

相続人の住所が判明していても、家庭裁判所は、その相続人に遺産分割に関する回答を強制したり、調停や審判への出席を強制することはできません

ただし、正当な理由なく調停に欠席し続けた場合には、不利な心証を与える可能性はあります。

 

3. 即座の遺産分割

不在者財産管理人の選任や失踪宣告には一定の期間と費用がかかってしまいます。

また、管理人が選任されても、不在者に不利な内容では協議が成立しないため、法定相続分での分割が原則となります。

そのため、即座に希望通りの遺産分割ができるわけではありません。

 

音信不通の相続人がいる場合の対処法

まず、戸籍の附票や住民票を取得し、相続人の現住所を調べることから始めます。

住所が判明したら、内容証明郵便などで連絡を試みます。

それでも応答がない場合は、不在者財産管理人の選任や失踪宣告を検討します。

 

弁護士に相談するメリット

音信不通の相続人がいる場合、戸籍調査から裁判所への申立てまで、複雑な手続きが必要になります。

弁護士に相談することで、適切な手続きの選択と迅速な対応が可能になります。

家庭裁判所に対する各種手続きの申立てや、審判移行時に審判の基礎となる、法的に主張を整理した書面の作成等の慣れない作業にお時間も、お手間もかかってしまいます。

まずは、どのような解決方法があるのか、専門家である弁護士にご相談ください。

 

弁護士法人リブラ共同法律事務所のサポート

弁護士法人リブラ共同法律事務所では、相続相談累計1,700件(令和8年4月時点)以上の実績を持ち、相続に強い弁護士9名が音信不通の相続人がいる複雑なケースにも対応しています。

戸籍調査から裁判所への申立て、遺産分割協議まで、一貫してサポートします。

初回相談は50分無料で、札幌2拠点(札幌駅前、新札幌)、東京2拠点(吉祥寺、立川)での対面相談のほか、オンライン相談にも対応しています。

まとめ

音信不通の相続人がいる場合、家庭裁判所の手続きを利用することで遺産分割を進めることができますが、裁判所ができることには限界があります

適切な手続きを選択し、スムーズに解決するためにも、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人リブラ共同法律事務所では、初回相談で状況を詳しく伺い、最適な解決策をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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