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再婚家庭における相続では、後妻(後夫)と前妻(前夫)の子が共同相続人となるケースがあり、遺産分割が複雑化しやすい傾向があります。
互いに面識がない、または関係性が希薄な相続人同士での協議は、感情的な対立を招きやすく、円滑な合意形成が困難になることが少なくありません。
本稿では、後妻・前妻(後夫・前夫)の子がいる相続で遺産分割が複雑化する理由と、その対処法について解説します。
被相続人の配偶者は離婚により相続権を失いますが、被相続人がその後再婚し、後妻(後夫)がいる状態で亡くなった場合、後妻(後夫)は配偶者として相続権を持ちます。
一方、前妻(前夫)との間の子は被相続人の離婚後も変わらず相続人のままですし、後妻(前夫)との間の子と法定相続分に差もありません。
そのため、例えば被相続人の後妻(後夫)と前妻(前夫)の子1人が相続人であるケースだとそれぞれの法定相続分は2分の1ずつになりますし、さらに後妻(後夫)との間にも子が1人いるケースだと、法定相続分は後妻(後夫)が遺産の2分の1、前妻(前夫)の子が4分の1、後妻(後夫)の子が4分の1になります。

✅後妻(後夫)とともに前妻(前夫)の子が相続人になっている相続の事案では、まず相続人同士の関係性の希薄さが問題となります。互いに面識がない、または限られた接触しかない場合、信頼関係が欠如しており、協議が進みにくくなります。
✅被相続人との関係性の違いも感情的な対立を生む要因です。後妻(後夫)は配偶者として晩年を共に過ごした一方で前妻(前夫)の子は幼少期に別れたまま疎遠になっているケースもあり、それぞれが「自分こそが適切な相続分を受けるべき」と考えがちです。
✅被相続人と疎遠になっている前妻(前夫)の子からすると、協議を始める時点で遺産にどのようなものがあるか状況が分からないことが多いです。後妻(後夫)側から開示を受けても「本当に正しい金額なのか」「他に隠している財産があるのではないか」と疑心暗鬼に陥ってしまう一方で、後妻(後夫)視点でも「特段の根拠もなく『あれも出せ、これも出せ』と言われて話が進まない」と不満が生じることで協議が長期化し、調停にもつれ込んで争うケースがあります。
✅財産形成への貢献度をめぐる対立も生じやすいです。後妻(後夫)は「婚姻後に形成した財産は自分の貢献によるもの」と主張するのに対し、前妻(前夫)の子は「父親(母親)が築いた財産には変わりないから一部は自分にも権利がある」と対立が深まることがあります。
まず重要なのは、被相続人が生前対策を行うことです。遺言書を作成し、各相続人への配分を明確にしておくことで、死後の紛争を予防できます。遺言作成の際は特に、遺留分に配慮した内容にすることが重要です。
被相続人に配偶者と子どもがいる場合の総体的遺留分は相続財産全体の2分の1と定められており(民法第1028条第2号)、後妻(後夫)も子も、個別の遺留分はそれぞれ相続財産の4分の1(子が複数いればさらに案分)となります。
相続発生後の対策の第一歩は、相続財産の全容を正確に把握し、評価額を確定させることです。
財産目録を作成し、すべての相続人が同じ情報を共有することで、疑念や不信感を軽減できます。
また、感情的な対立を避けるためには、弁護士などの第三者を間に入れて法的根拠に基づいた客観的な分割案を検討することも円滑な解決への近道です。
話し合いでの合意が困難な場合は、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることができます。
調停では、調停委員が間に入り、双方の主張を聞きながら合意形成を支援します。
調停でも合意に至らない場合は、審判に移行し、裁判官が法定相続分に基づいて遺産分割の内容を決定します。
前妻(前夫)の子と後妻(後夫)がともに相続人になっているケースでは、感情的な対立が激しくなりやすい要因があるため、弁護士を代理人として立てることで、冷静な協議が可能になります。
弁護士により法的知識に基づいた適切な分割案を提示することで、相続人間の交渉を円滑に進めることができます。
また、協議、調停、審判いずれの段階でも代理人として対応を任せることが出来るので資料の収集や書面作成の手間も省けますし、相手と直接やりとりをしなければならない場面での心理的な負担も軽減されます。
弁護士法人リブラ共同法律事務所では、相続相談累計1,700件以上(令和8年4月現在)の実績を持ち、相続に強い弁護士9名が複雑な家族関係の相続案件にも対応しています。後妻(後夫)側のご相談も前妻(前夫)の子側のご相談のいずれにおいても、個別事情を丁寧にヒアリングし、感情面にも配慮した解決策を提案してまいりました。
初回相談は50分無料で、札幌2拠点(札幌駅前、新札幌)、東京2拠点(吉祥寺、立川)での対面相談のほか、オンライン相談にも対応しています。

後妻(後夫)・前妻(前夫)の子がいる相続では、関係性の希薄さや感情的な対立から遺産分割が複雑化しやすいですが、適切な対策と専門家のサポートでより迅速な解決を図ることが出来ます。早めに弁護士に相談し、法的に適切な、かつ納得のいく解決を目指しましょう。弁護士法人リブラ共同法律事務所では、初回相談で状況を詳しく伺い、最適な対応策をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。




