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自宅兼収益物件であるマンション、預貯金、自動車
被相続人(70代)、後妻である依頼者、被相続人と先妻との間の長男、二男
依頼者と被相続人であるご主人との間には子どもがなく、被相続人と先妻の間の長男、二男がいました。
依頼者と長男、二男との折り合いが悪く、被相続人が遺言書が作成せず亡くなったことで、依頼者は居住する自宅を失うかもしれないという強い不安を感じていました。
依頼者はご主人を亡くし、長男二男と直接遺産分割協議を行う自信がないとしてご相談、ご依頼を頂きました。
ご依頼を受けた後、不動産の査定等遺産を整理しました。
その上で、長男、二男に遺産内容を詳細に説明し分割協議を行いたい旨の提案書面を送付しました。
長男、二男は、当初頑なな態度でしたが、現状を整理し法定相続分を前提に分割することを提案したことで、次第に態度が軟化し依頼者の今後の居住環境や老後の生活費にも配慮してくれることとなりました。
また、依頼者の強く希望していた被相続人の遺骨の分骨にも応じられました。
依頼者が5年間自宅に居住したうえで、物件を売却し売却益を分配するという全員がある程度納得できる遺産分割の内容で合意することができ、調停によらない解決が可能となりました。
6か月
民法改正前で配偶者居住権が認められる前の案件であり、高齢の依頼者が遺産分割協議の帰趨によっては住まいを失うのではないかという強い不安を抱いていました。
長男、二男は、父親が高齢になってから再婚した後妻に良い感情を抱いておらず、当初協議による解決は不可能のようにも思われました。
しかし、遺産を管理していた依頼者が誠実に遺産の内容を開示し、率直に希望を伝えたことで不信感をある程度解消することができ、遺産分割協議を成立させることができました。
互いに不信感がある案件のため、できるだけ丁寧な説明を心掛けることで必要以上の感情的な対立を避けることができたものと考えられます。
遺産分割協議と直接は関係しないものの遺骨の問題もあり、長男二男と後妻のいずれが祭祀を承継していくかという争いになっていました。
被相続人が遺言により、遺産の分割方法や祭祀の承継者を明確にしていない本件のようなケースは特に争いになりやすく、通常は調停によらず解決することが難しいのですが、協議で終了できたことで比較的短期間で解決することができました。
公正証書遺言の作成について弁護士にご依頼いただければ、作成する遺言の内容の検討や公証人との調整をすべて行います。
施設に入所されていたり、病院に入院されている場合は、公証人にお越しいただくことで作成することもできます。
弁護士法人リブラ共同法律事務所
代表弁護士 菅原 仁人
相続、離婚など家事事件
中央大学法学部卒業後、平成21年に弁護士登録、札幌の法律事務所に入所。3年半の勤務を経て北海道リブラ法律事務所(現弁護士法人リブラ共同法律事務所)を設立。
札幌地域の離婚や相続など、家事事件を主に取り扱っている。現在は札幌市内2か所(札幌・新札幌)と東京1か所(吉祥寺)に拠点を構える弁護士法人の代表として活動している。