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相談分類:遺産分割
依頼者:札幌市在住・80代・男性
相続人2名の事案でした。
依頼者は「亡くなった弟の相続人は自分一人」と確信して手続きを進めていましたが、金融機関での調査過程で戸籍から存在を知らなかった異母妹の存在が浮上しました。
父が前妻との離婚後に再婚してもうけた子であり、依頼者とは一度も面識がありません。
突然現れた共同相続人と、弟が残した預貯金をどのように分けるべきか、また感情的に直接話をしたくないという強いストレスを抱えて、札幌の弁護士法人リブラ共同法律事務所に相談に来られました。

最大の障壁は、「法的権利の主張」と「感情的対立」のバランスです。
法律上、亡くなった弟と半血の兄弟となる異母妹には依頼者の2分の1の法定相続分が認められます。
面識がない相手に対し、いきなり「全ての財産を相続させて欲しい」と切り出せば、不信感から紛争が激化し、泥沼の紛争に発展するリスクがありました。
また、相手の生活状況や弟への思いが不明な中、円満な解決へ導くためのアプローチ方法の選定が極めて困難な状況でした。
ご依頼いただいた後、丁寧な書面を送付し、弟の逝去を伝えつつ「依頼者も最近まで妹の存在を知らなかったこと」を正直に開示しました。
あえて高圧的な交渉を避け、弟の生前の生活を支えてきたのは依頼者である事実を伝え、道義的な理解を求めました。
その上で、異母妹も弟の生活状況を知らないこともあり、負債の相続を懸念するのであれば相続放棄を家庭裁判所に申立てることも可能であることを伝えました。

交渉の結果、異母妹は「一度も会ったことのない兄の遺産を受け取るのは忍びない」と納得し、家庭裁判所への相続放棄申述に応じてくれました。
異母妹に家庭裁判所への相続放棄の対応方法や必要書類を具体的に伝えたことで異母妹の心理的・事務的負担を最小限に抑えつつ、受理が完了。
最終的に依頼者は、当初の希望通り弟の遺産をすべて単独で取得することができ、親族間のしこりを残さず円満な解決に至りました。
本件の成功要因は、「法律の正論」を押し付けず、「誠実な情報開示」に徹したことにあります。
面識のない相続人が現れた際、焦って権利の放棄を迫ると、相手は「何か隠しているのではないか」と疑念を抱きます。
第三者である弁護士が客観的な立場から状況を説明し、相手方の負担を考慮した解決案を提示することで、対立を未然に防ぎ、結果として依頼者の利益を最大化することができました。
札幌で遺産分割や相続問題にお悩みの方は、弁護士法人リブラ共同法律事務所にご相談いただくことで、このような複雑な相続案件も円満に解決することが可能です。

これまで把握していなかった相続人が判明した場合、ご自身で直接連絡を取ることは避けるべきです。
初動を誤ると、感情的な縺れから解決までに数年を要する泥沼の裁判に発展しかねません。
戸籍調査から相手へのアプローチ、裁判所での手続きまで、専門家に任せることでスムーズに解決できる可能性が高まります。
特に、相手に相続を辞退してほしい場合は、誠意を持った丁寧な交渉が何よりの近道となります。
札幌で遺産分割や相続放棄についてお困りの方は、相続問題に精通した弁護士法人リブラ共同法律事務所へお気軽にご相談ください。
弁護士法人リブラ共同法律事務所では、札幌・東京を拠点に、遺産分割協議、相続放棄、相続トラブルなど、相続に関する様々な問題について、経験豊富な弁護士がご相談をお受けしています。
✅ 札幌駅前・新札幌・吉祥寺・立川の4拠点で相談可能
✅ 面識のない相続人との交渉も円満解決
✅ 遺産分割協議から調停・審判まで一貫サポート
✅ 相続問題の豊富な解決実績
札幌・東京で相続や遺産分割でお困りの方は、お気軽に弁護士法人リブラ共同法律事務所までお問い合わせください。
