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相続財産を勝手に使い込まれた時・隠匿された時の法的対処法

この記事を読むのに必要な時間は約7分37秒です。
 

「親の預金口座から突然多額のお金が引き出されていた」、「遺産分割協議の際に財産の一部が隠されていた」、こうした相続トラブルは決して珍しいものではありません。

相続財産からの使途不明金や相続財産の隠匿が発覚した場合は、法的手段を用いて適切に対処することが重要です。

本記事では、使途不明金や財産隠匿に関する法的対処法について、弁護士の視点から解説します。

 

使途不明金とは何か|使い込みが発覚するきっかけ

使途不明金とは、被相続人の預金口座から引き出されたお金のうち、その使途が明らかでないものを指します。

使途不明金は「相続開始後に銀行から取引履歴を取り寄せたら高額な出金が複数回にわたって行われていた」という形で発覚するケースが多く、相続人の一人がそのお金を使い込んでいた可能性が疑われ、遺産分割協議の進行に影響することがあります。

特に被相続人が認知症であった場合や、特定の相続人が預金通帳やキャッシュカードを管理していた場合に、このような使途不明金、ひいては使い込みの問題が発生しやすい傾向にあります。

使途不明金が見つかったときには被相続人の預金を管理していた相続人に使い道を確認したり、領収書等をもとに被相続人の日常的な支出を計算し、比較して不自然な出金でないかを判断したりする必要が生じます。

 

 

財産隠匿の典型的なパターン

財産隠匿は、相続財産の全体像を把握しにくくすることで、自己に有利な遺産分割を実現しようとする行為です。

以下のような行為が財産隠匿に該当する可能性があります。

✅被相続人名義の預金口座を開示しない

✅ 現金や貴重品の存在を隠す

✅ 不動産や株式などの資産情報を提供しない

✅ 生前贈与の事実を隠蔽する

✅ 相続開始後に勝手に財産を処分する

これらの行為は、相続人間の公平性を著しく損なうものであり、法的責任を問われる可能性があります。

 

相続財産の使い込みへの法的対処法

使途不明金があり、これが特定の相続人により使い込まれていた疑いがある場合には、以下の法的手段を検討することになります。

不当利得返還請求

被相続人の生前に相続財産を使い込んでいた相続人に対しては、不当利得返還請求を行うことができます。

不当利得とは、法律上の原因なく他人の財産によって利益を受けることを指します。

相続人が被相続人の同意なく預金を引き出したケースでは、その金額が相続人による不当利得となり被相続人には不当利得返還請求権が生じます。被相続人の死亡後にはこの不当利得返還請求権を他の相続人が各相続分に応じて引き継ぎ請求を行うことが出来ます。 

 

不法行為に基づく損害賠償請求

生前の使い込みを被相続人への不法行為と構成して、損害賠償請求を行うことも考えられます。

たとえば、被相続人が認知症などで判断能力が低下していた状態で預金を引き出していた場合、相続人が預金の引出権限を有していない(使い込みの違法性や相続人が権利侵害に対する故意がある)と評価され、不法行為として損害賠償の対象となる可能性が高まります。

 

遺産分割調停・審判での主張

相続開始後の遺産が使い込まれていた場合、遺産分割調停において、その金額を特別受益として扱うよう主張することができます。

相手方が争う場合は手続を審判に移行させ裁判所に判断を委ねることも考えられますが、裁判所の実務上、相手方が認めていない段階で使い込み分を特別受益とする判断を下すことはほぼないとみられます。使い込み分を遺産分割の内容に反映させたいなら、審判に移行させず調停を取り下げて、先に述べた不当利得返還請求等で解決を図ることになるでしょう。

 

 

財産隠匿への法的対処法

財産隠匿が疑われる場合は、以下の方法で対応します。

財産調査の実施

相続人の立場で金融機関へ照会を行うことで、被相続人名義の全ての預金口座を把握することができます。また、不動産については法務局で登記簿を確認し、株式や投資信託については証券会社への照会で保有状況を調査できます。

また弁護士に遺産分割協議等をご依頼いただいている場合は、弁護士会照会制度を利用して弁護士による財産調査も可能になります。

遺産分割調停・審判で開示を求める

遺産分割調停や審判の場では、調停委員や裁判官を通じて相手方に対して財産目録の提出や口座等の資料の開示を求めることができます。この求めに強制力があるわけではありませんが、正当な理由なく開示を拒否する場合、調停委員や裁判官の心証が悪くなり、相手方に不利な判断が下される可能性が生じます。

また、調停や審判の手続中は、相手方が任意の開示に応じないときに裁判所から金融機関等へ直接照会をかける「調査嘱託」の申立てをすることもできます。

遺産確認の訴え

調停で相手方が財産隠匿を頑なに認めない場合は、その財産をないものとして遺産分割を進めるか、調停を取り下げざるを得ないことがあります。調停を取り下げたあとは、遺産確認の訴え(遺産確認訴訟)を地方裁判所に提起するという方法があります。遺産確認の訴えの手続では、訴訟を提起した側が隠された遺産の存在を証拠とともに主張する必要があります。

 

 

 

弁護士に依頼するメリット

証拠収集のノウハウ

弁護士は事案に応じてどのような資料を集める必要があるか、どのような証拠が法的に有効かを判断し、効果的な立証戦略を構築します。

また弁護士は相続人の代理人として被相続人名義の財産について金融機関等への照会手続を行うことが出来るほか、弁護士会照会制度を活用して金融機関や関係機関から必要な情報を取得することもできます。調停や審判手続中の調査嘱託の申立についても代理人として必要な準備をお任せいただけます。

交渉力と法的知識

使い込みや財産隠匿を疑われた相手方があっさりそれらの事実を認めることはほとんどありません。そのような相手方との交渉においても、法的根拠に基づいた主張を展開することで、有利な条件での解決を目指すことができます。

また調停や審判手続では、専門的な法律知識を駆使して依頼者の権利を最大限に守ります。

精神的負担の軽減

相続トラブルは家族間の問題でもあり、意見を直接伝えるとなると精神的な負担が大きいものです。

弁護士に依頼し、代理人を介した交渉にすることで、冷静な判断のもとで問題解決を進めることができます。

 

 

まとめ

使途不明金(使い込み)や財産隠匿が疑われる場合、証拠の確保や法的手続には迅速な対応が求められるため、早期に弁護士に相談することが重要です。

弁護士法人リブラ共同法律事務所では、相続に関する豊富な経験と専門知識を持つ弁護士が、使途不明金や財産隠匿の問題に対して戦略的にサポートいたしますので、相続トラブルにお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

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