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夫に病気が見つかり、夫が亡くなった後の相続について心配になりました。
相続人になるのは、妻である私と長男です。私は、長年夫名義の一軒家で夫と一緒に暮らしているのですが、長男が家は売却してお金にしたいと強く主張しています。
でも、私は自宅に愛着があり、他に行くあてもないので、家を売りたくありません。夫が亡くなったら家を売らないといけないのでしょうか?
相続に関する民法の改正で「配偶者居住権」という制度が新設され、2020年4月から施行されることになりました。
これまでは、配偶者が相続財産である不動産に住み続けたいという希望を持っている場合には、配偶者がその不動産の所有権を取得するか、またはその不動産の所有権を取得した相続人との間で賃貸借契約を締結するといった方法が実務上取られてきました。
しかし、相続財産が不動産しかない場合には、配偶者が単独でそれを取得することが困難な場合があり、賃貸借契約も必ずできる訳ではありません。
そこで、相続が発生した時に配偶者が相続財産である建物に住んでいた場合には、配偶者の生活の状況等に配慮のうえ、無償でその建物に住み続けることができるようになりました。ただし、配偶者居住権が認められるためにはいくつかの要件がありますので、お困りの際は、弁護士にご相談ください。
(担当弁護士:菅原 仁人)
弁護士法人リブラ共同法律事務所
代表弁護士 菅原 仁人
相続、離婚など家事事件
中央大学法学部卒業後、平成21年に弁護士登録、札幌の法律事務所に入所。3年半の勤務を経て北海道リブラ法律事務所(現弁護士法人リブラ共同法律事務所)を設立。
札幌地域の離婚や相続など、家事事件を主に取り扱っている。現在は札幌市内2か所(札幌・新札幌)と東京1か所(吉祥寺)にそれぞれ拠点を構える弁護士法人の代表として活動している。